会誌『系図系譜学論究』

横書き電子会誌『系図系譜学論究』について

1.はじめに

 本会が新たに創刊する会誌『系図系譜学論究』は、系図系譜研究の進歩と発展を目指すことを目的とし、既存の学術雑誌の制約を克服し、よりアクセスしやすく、読みやすく、検証しやすい形式での研究成果を提供することを目指しています。

2.学際的学問分野としての構築

これまでの系図学・系譜学は、長らく独自の理論体系を明示せず、昔のことなら歴史学という安易な連想から、歴史学や史料学を手本としてきました。しかし、系図系譜研究においては、地理学や政治学、遺伝系図学、数理工学、情報学のような多様な学問分野との協働が見込まれます。そこで、歴史学・史料学に依存した伝統的系譜学ではなく、学際的学問分野として構築し直すべきです。

3.縦書き・従来型の学術誌の問題点

 従来の会誌は縦書き・紙媒体であり、アラビア数字や頁末注の使用が制限され、紙幅の制約もあり、検索も不可能です。これらは、投稿段階で重要な論点を削ることになるだけでなく、横書き・アラビア数字使用・ネット検索が一般的な現代日本において、視認性、情報のアクセシビリティと利便性を低下させ、第三者による検証を阻害し学術的な議論と研究の進展を制限するものです。

 特に、頁末注を使用できないため、読者としては、本文と後注を行ったり来たりして探すことを余儀なくさせられます。また、参考文献の記載方法も、伝統的系譜学論文や史学系論文においては、参照頁を書かないどころか、主な参考文献の書名だけを列挙するだけであったりすることが一般的に見られます。これらの特徴は、本文の内容を批判的に検証しようとする読者にとっては無用に煩雑さを強いるものでした。

 さらに、横書きに慣れ人名・地名等の固有名詞や慣用句等限られた場面でしか漢数字を使わない多くの現代人にとっては、漢数字が日付や数量を表す文章は直感的理解を若干阻みますし、入力するにもいちいちアラビア数字を打鍵してから変換しなければならず面倒であり、そういった小さな不便が積もりに積もり、気づかぬうちに研究活動の大きな支障となりえます。

加えて、伝統的系譜学論文や史学系論文の構成やレイアウトは、セクションをあまり分けず、問題意識が書かれていなかったり、また引用や事例説明などが一見して本文と区別しにくかったりすることが通常です。

 それだけではありません。系図学・系譜学は、本会会則をご覧になってもわかりますように、別に日本史領域に限ったものではありません。西洋系図研究等の横書き言語圏の研究だけでなく遺伝系図学のような理系研究も対象とする学際的学問であります。そうすると、日本の系図研究に特化したような縦書きの紙面構成は妥当とはいえません。

 また、一般に、論文というものは他の研究者に引用されることで価値が認められ向上していきますが、論文タイトルが本サイト上に載るだけでは検索に引っかかりにくく、せっかくの良い内容の論文等であっても埋もれてしまいかねません。GoogleScholar等でヒットしやすくなるようJ-Stageに掲載することが重要となってきますが、縦書きの場合は、特殊な処理をしないと全文検索をすることができません。

 上記のとおり漢数字の視認性の悪さや入力の煩雑さ、注記の参照のしにくさ、縦書きそのものの読みにくさなど、縦書きのメリット(ほぼ訓読文や釈文を本文中に記載しやすいという点のみ)に比べてデメリットが非常に多いという意見も聞かれますし、クラウド型ワープロソフトを使用している場合は縦書きが不可能であるという事情もあり、横書きであれば投稿したいという方々からもメッセージをいただきました。

縦書き・横書きのメリット・デメリットについての詳細な検討はこちら

4.横書きへの切り替え・一本化によって生じる問題点

 縦書きにはこのような問題点があるため、昨今、歴史関係学協会の学術誌においても横書き化するところが増えてきております。

 その流れがあり、令和6年総会において会誌の横書き化議案が賛成多数で可決成立しました。 しかし、当会には既存の会誌『家系研究』がございますが、長年にわたり縦書きで執筆あるいは閲読することに慣れ親しんできた方々もおられることを考えると、既存の会誌を横書き化して縦書きを排除することは良い方法とはいえません。

 また、コラムや小説といった投稿のニーズもありますので、棲み分けるべきと考えます。

5.解決策としての新会誌創刊

 そこで、これらの問題を解決するために、新たにWebコンテンツとして横書き会誌『系図系譜学論究』を創刊することとしました。新会誌は、J-Stage及び本会ページで電子出版いたします。

 これにより、アラビア数字・頁末注の使用及び全文検索が可能となり、紙幅の制約もなくなり、執筆者にとっては書きやすくかつ引用されやすく、読者にとっては読みやすくかつ検証しやすくなります。GoogleScholar等による検索にもヒットするようJ-Stageにも登載することにより、引用される可能性を高められるため、若手研究者や研究者志望の学生等の投稿もしやすくなると思います。

さらに、伝統的系譜学論文や縦書き派の方はこれまでどおり『家系研究』で、系図系譜学として横書きで発表する方は新会誌『系図系譜学論究』に投稿いただければと存じます。このように投稿者ないし投稿をお考えの皆様に対し、新たな選択肢を提供することにより、系図系譜研究と議論がより広く行いやすくなると考えます。

6.むすび

 『系図系譜学論究』は、系図系譜学の未来を共に創造するための新たな電子ジャーナルです。本誌が系図系譜研究者にとって有益な媒体となり、系図系譜研究の新たなスタンダードとなり、学術的な議論と研究の進展を促進することを期待しています。

 皆様のご投稿を心よりお待ちしております。

『系図系譜学論究』概要

『系図系譜学論究(La Généalogie)』の概要

創刊趣旨
  1. 歴史学・史料学に依存した伝統的系譜学ではなく、文系理系の垣根を越えた学際的学問分野としての系図系譜学研究の発表の場とすること
  2. 漫然として読みにくく日本史系研究に特化した従来型レイアウトではなく、横書き、アラビア数字、細かなセクション分け、頁末注、フルカラー、図・表・枠の多用など視認性とわかりやすさを追究した誌面とすること
  3. 大学院生などの投稿・研究を奨励し研究業績の検索性を向上すること
  4. 出典を詳細に明記することで、第三者による検証・反論を容易にし促進すること
誌名 日本語表記『系図系譜学論究』

外国語表記『La Généalogie』

投稿資格 会員・非会員を問わない。

投稿要領等に同意し、著作権の利用を許諾する者。

字数制限 なし。ただし、大長編の場合及び投稿多数の場合は、編集スケジュールの都合により、掲載が次号以降に遅れることがある。
文字の方向 横書き
注記の位置 頁末注
言語・数字 原則として日本語。引用、固有名詞や慣用句等を除き、数字はアラビア数字。外国人投稿者の場合は、母国語で投稿することを認めることがある。
出典の記載方法 逐次詳細に記載すること(投稿要領参照)。
発行の回数及び周期 年4回(2月、5月、8月、11月の各末日)を予定
締切 12月、3月、6月、9月の各末日を予定
発行の形式 電子ジャーナル(J-Stage及び本会サイト上に掲載)
(Amazonでの電子出版・オンデマンド出版(紙媒体)も想定)
掲載記事の種類 学術論文、研究ノート、学界展望、調査記・調査報告及び文献の紹介その他の記事(招待論文を含む)
掲載記事の分野 国内外の系図・系譜を主たる対象とするもの。理論研究、実証研究、姓氏研究、親族研究、家紋・紋章学、言語学、考古学、情報学、数理研究、ハプログループ解析・遺伝子研究、医学・生物学など学問分野及び研究方法を問わない。ただし、伝統的系譜学や歴史学・史料学系論文は『家系研究』に投稿してください。
フルカラー
著作権 著作権(複製権、公衆送信権など)の利用許諾
査読の有無 有り

文法語法の誤りや文意不明瞭な部分のほか、レイアウトやセクション分けなど執筆要領に沿った原稿になっていない部分の修正を求めることがあります。

要約・キーワード 必要
ファイル形式 Googleドキュメントの所定のテンプレートを使用すること。

系図の場合は、Googleスプレッドシート、Excel、PDFも可。一太郎で系図・系譜を作成した場合は系図・系譜をPDF化して提出。

画像の場合は、jpg、png。

動画は、現状は対応していない。

詳細は投稿要領を参照してください。

投稿料 無料。

ただし、非会員に限り、掲載可又は条件付き掲載可の査読結果を通知した後に取り下げた場合は、1000字につき1000円のキャンセル料(添削目的の投稿を防止するため)。

書式等詳細 詳細は投稿要領を参照してください。
一見してわかりやすい紙面にする必要があります。
このフォーマットを使用してください。独自のフォーマットでは受け付けられません。
投稿方法 原稿ファイル、図表・写真ファイル、使用した史資料の画像ファイルを所定の投稿フォームにアップロードすること。
投稿受付フォーム
※このフォーム以外からの投稿は受け付けません。
ISSN 2759-9094
表彰 『系図系譜学論究』年間最優秀論文賞 Best Paper Award
『系図系譜学論究』優秀論文賞
『系図系譜学論究』特別賞
『系図系譜学論究』奨励賞
『系図系譜学論究』継続研究賞
『系図系譜学論究』上半期優秀賞
『系図系譜学論究』下半期優秀賞
『系図系譜学論究』創刊記念論文賞

サンプル

横書き会誌のサンプルは以下のとおりです。

 

問い合わせ

本誌はWEBコンテンツですので、問い合わせはWEB担当執行理事宛にしてください。事務局では対応しませんので、問い合わせないでください。

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